最近観た映画の感想と評価(2020年5月〜;若干、例外あり)
=映画雑感;オンデマンド鑑賞のお供にどうぞ。

青っぽい文字(リンクあり)の映画だけ、別に投稿記事があります(映画の良し悪しに関わらず、気が向いたら投稿記事にしています)。
個人的お気に入りはタイトルをこっそりボールドにしてあります。
おおむね観た順番(古い方が下)ですが、ところどころ前後しています。
年は、製作年もしくは公開年となります。

 

評価基準(★の数:かなり主観的です。悪い方は甘めで、良い方は厳しめ)
5:最高;見るべし。人生の宝になる。
4:優良;見たほうがいい
3:悪くない;見ても損はない
2:いまいち;好みが合えば、悪くない
1:ダメ;時間の無駄。光るところはあってもオススメしない。

★★★★の基準はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『灼熱の魂』です。

*****


No.0150『フェデリコという不思議な存在』
2013、原題:Che strano chiamarsi Federico、イタリア、93分
監督 :エットーレ・スコラ
主演 :トンマーゾ・ラゾッティ, マウリツィオ・デ・サンテス, ジャコモ・ラゾッティ
★★★ 映画監督フェデリコ・フェリーニの誕生から葬儀までを、盟友エットーレ・スコラが、コラージュ風かつコミカルに作り上げた愛のこもった映画。夜の街を巨匠となった二人が車でうろつき、面白そうな人を乗せては、人生やら芸術を話すシーンが良かった。フェリーニの映画は一本くらい観たことがあるはずだけど、よく憶えていない。今度、観てみよう。

No.0149『複製された男』
2013、原題:Enemy、カナダ・スペイン、90分
監督 :ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演 :ジェイク・ギリンホール(アダム:大学講師/アンソニー:三流俳優)、メラニー・ロラン(メアリー:アダムの彼女)、サラ・ガドン(ヘレン:アンソニーの妻)
★★★★+ さすがはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、映像と音で引き込み、語ってくれる。ただし、原作はノーベル文学賞受賞者であるジョゼ・サラマーゴの小説。第1章まで読んだが、なかなか奥が深そう。それに対するドゥニ監督の解釈として観た方がいいかも。
原作:ジョゼ・サラマーゴ『複製された男』(映画のクレジットでは”The Double” となっていたが、原語のタイトルは”O Homem Duplicado”)

No.0148『ジョー・パターノ 堕ちた名将/パテルノ』
2018、原題:Paterno、アメリカ、105分
監督 :バリー・レヴィンソン
主演 :アル・パチーノ、キャシー・ベイカー
★★ HBOのテレビ向け映画なので質は高くない。アル・パチーノ演じるカレッジ・フットボールの名将が、小児性愛のコーチの事件を放置したことから多くの被害者を生み、最終的に責任を取らざるを得なくなった話。被害者の少年が勇気を振り絞って訴えたことで事件が顕在化。この少年には共感するが、その部分の描写は最低限。

No.0147『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
2017、原題:Victoria & Abdul、イギリス・アメリカ、112分
監督 :スティーヴン・ブリアーズ
主演 :ジュディ・デンチ(ヴィクトリア女王)、アリ・ファザル(アブドゥル)、アディール・アクタル(ムハメッド;Mohammad)
★★★ アブドゥルと一緒に英国に行く羽目になったムハメッドに注目して観よう。確かにヴィクトリア女王は囚われの身のようで可哀想ではある。だが大英帝国の悪事を考えると同情しきれない。アブドゥルは生来の優しい心で女王を癒したが、野心もあり、まるでホストのよう。友であるはずのムハメッドへの気遣いはほとんどない。アブドゥルを快く思わない女王の取り巻きたちから彼を守ったムハメッドは病で命を落とすことになった。僕にはアブドゥルがホストにしか見えなかった。

No.0146『バベル』
2006、原題:Babel、アメリカ、142分
監督 :アレハンドロ・ゴンザレス・イニュリトゥ
主演 :ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊地凛子
★★★★- バベルの塔を建て神に近づこうとした人間への罰がテーマとなっているらしい。”モロッコ”と”カリフォルニア-メキシコ・ティファナ”と”東京”の3地域が舞台となり、並行するそれぞれの物語が絡み合っている。人間の欲望や身勝手さ、気高さ、優しさなどが物語を通して表現されている。ブラピ演じるリチャードに寄り添う通訳のモロッコ人男性が誠実で格好よかった。「風が吹けば桶屋が儲かる」的悲劇。

No.0145『ザ・メキシカン』
2001、原題:The Mexican、アメリカ・メキシコ、123分
監督 :ゴア・ヴァービンスキー
主演 :ブラッド・ピット(ジェリー)、ジュリア・ロバーツ(サマンサ;サム)、ジェームズ・ガンドルフィーニ(ウインストン(リロイ))
★★★ 若くて可愛いブラピが楽しめる。ヤバイやつに交差点で車をぶつけてしまい、ヤバイ仕事をやらされているジェリー。恋人サマンサとは気が合うが、辞めるはずのヤバイ仕事を再び請け負ったジェリーに業を煮やした彼女は彼を家から追い出す。言い伝えのあるボスの拳銃を取り戻しにメキシコに行ったジェリーはトラブル続き。サマンサは夢を叶えにラスベガスに向かうが、ジェリー絡みでヤバイやつに捕まるが……。このヤバイ奴が意外といい奴で、こいつとサマンサの絡みが一番面白かった。普通に楽しめるが、満足感は高くない。

No.0144『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
2007、原題:The Golden Compass、アメリカ、113分
監督 :クリス・ワイツ
主演 :ダコタ・ブルー・リチャーズ(ライラ)、ダニエル・クレイグ(アスリエル)、ニコール・キッドマン(クールター夫人)、エヴァ・ガエル・グレーン(魔女)
★★★ ファンタジー小説が原作の実写版。人間がダイモンという動物の守護霊を持つ世界で、ダストという並行世界から流れ込む粒子を敵視する宗教組織が支配している。並行世界の存在は彼らの絶対性を脅かすのでタブーにするともに、将来的にその存在を完全に隠蔽することを企んでいる。英国のオックスフォード大学が最初の舞台で、ライラという少女が主人公。ライラの叔父であり、ダストという並行世界から流れ込む粒子を研究する有能な科学者であるアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)が毒殺されかけるところから物語が始まる。映像世界やストーリーはそれなりに楽しめるが、人物像が浅い点が観ていて辛かった。続編のある終わり方だが、続編は中止になったっぽい。

No.0143『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
2017、日本、110分
監督 :湯浅弘章
主演 :南沙良、蒔田彩珠、萩原利久
原作コミック:押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(太田出版)
★★ 吃音で友達ができない志乃とミュージシャンに憧れる音痴の加代は高一の同級生。志乃は吃音を笑わない加代と友達になり、歌声を買われバンドに誘われる。文化祭での演奏を目指し、路上で練習する二人。だがある日、志乃の吃音をからかった男子、菊池が加わることになり、二人の関係が崩れていく。世界観は嫌いじゃないけど、人物像が浅い。感情移入しきれなかった。舞台はまだ携帯電話のない時代らしい。

No.0142『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
2018、原題:Mary Queen Of Scots、アメリカ・イギリス、124分
監督 :ジョージー・ルーク
主演 :シアーシャ・ローナン(メアリー)、マーゴット・ロビー(エリザベス)
★★★ 気分わり。不条理。でもたぶんそれが現実(特に政治の世界)。16世紀半ばのイングランドとスコットランドが舞台。フランスで育ち、若くしてフランス国王に嫁いだメアリーは国王の死に伴いスコットランドの女王に就く。メアリーはまだ20歳前後で、イングランドとスコットランドの血筋を継ぐ両国の正統な後継者であり、フランス文化を好み、カトリックながらプロテスタントも許容する先駆的考えの持ち主。気高く、気が強すぎるのが玉に瑕。一方、プロテスタントが抑えるイングランドの女王・エリザベスはメアリーとは従姉妹(?)で、妊娠の難しい年齢になっている。男性社会の中の女性リーダーという共感と女のプライドとの狭間で間接的な戦いを繰り広げる。

No.0141『ザ・ファブル』
2019、日本、123分
監督 :江口カン
主演 :岡田准一、木村文乃、山本美月、柳楽優弥、佐藤浩市、安田顕、佐藤二朗など
★★ 岡田准一演じる伝説の殺し屋”ファブル”が殺しすぎでボスに1年間の休養を命じられる。大阪で、相棒のヨーコ(木村文乃)とともに佐藤兄妹として、絶対に人を殺してはいけない「普通」の暮らしを始める。偶然知り合った心優しいミサキ(山本美月)がヤクザのトラブルの抗争に巻き込まれ、救出に向かうが……。コミックが原作なのでストーリの強引さはご愛嬌。アクションと笑いはそこそこ楽しめる。豪華俳優陣の中で柳楽優弥の演技が光った。

No.0140『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』
2015、原題:Der Staat gegen Fritz Bauer(英題:The People vs. Fritz Bauer)、ドイツ、105分
監督 :ラース・クラウメ
主演 :ブルクハルト・クラウスナー(フリッツ・バウワー)、ロナウト・ツェアフェルト(カール・アンガーマン)
★★★★ 第二次世界大戦終了から10数年後のドイツ。フリッツ・バウワーという州検事長が、逃亡していたナチスの幹部アイヒマンを執念で探す実話を基にした映画。検察内にもナチスの残党が多くいるなか、同性愛者でユダヤ人であるバウワーは様々な妨害を乗り越え、ついにアイヒマンの居どころを突き止めるのだが……。こんな強い人間がいたから、今のドイツがあるのだ。日本はどうだ?

No.0139『EAST MEETS WEST』
1995、日本、124分
監督 :岡本喜八
主演 :真田広之(上條健吉;ジョー)、竹中直人(為次郎)、岸部一徳
★★ 岡本喜八監督によるサムライ西部劇。シーンは少ないけど切れ味鋭い真田広之のアクションと竹中直人のお笑い演技が見どころ。少々間延びしてるし古臭いけど、喜八監督らしい後味。

No.0138『LION/ライオン 25年目のただいま』
2016、原題:Lion、オーストラリア・アメリカ・イギリス、129分
監督 : ガース・デイヴィス
主演 : デーヴ・パテール(サルー)、ルーニー・マーラ(ルーシー)、ニコール・キッドマン(ママ)
★★★ インド西部に住む5歳の男の子が電車でカルカッタまで運ばれてしまう。様々な危険をかいくぐり、オーストラリアに住む白人夫婦の養子となり、幸せに成長する。けれどもはぐれてしまい自分を探していただろう兄や母親のことが頭を離れず、友人からGoogle Mapで記憶の景色を探してみたらいいと提案されるのだが……。

No.0137『偽りの忠誠 ナチスが愛した女』
2016、原題:The Exception、イギリス・アメリカ、107分
監督 :デヴィッド・ルポー
主演 :リリー・ジェームズ、ジェイ・コートニー、クリストファー・プラマー
★★ 第二次世界大戦中、オランダに亡命した元ドイツ皇帝・ヴィルヘルム2世。ナチスは元皇帝が復権を企んでいると疑っている。軍規を破ったものの処分を逃れた若いドイツ軍将校が優秀さを買われ元皇帝の動きを探るため派遣される。やんちゃな彼と元皇帝の邸宅で働く若く美しいメイドが互いに一目惚れ、恋に落ちる。だがメイドは英国政府から密命を受けたユダヤ人のスパイだった。一方、ゲシュタポの警部補は邸宅に潜り込んでいるスパイを探している。ヒムラーが元皇帝を訪ねてくるタイミングで事態が一気に動き出す……。ちょっとエッチでスリルある、史実に基づいた設定のフィクション映画。

No.0136『ローグ・アサシン』
2007、原題:War(別題:Rogue Assassin)、アメリカ、103分
監督 :フィリップ・G・アトウェル
主演 :ジェット・リー、ジェイソン・ステイサム
ジェット・リーとジェイソン・ステイサムの対決が見もの。ストーリーは酷い。随分前に観たのだけど、ストーリが理解できなかったので、もう一度観た。結局、無理矢理&こじつけのストーリーのため、理解できなかったことが判明した。

No.0135『ブルゴーニュで会いましょう』
2015 、原題:Premiers Crus(第1級ワインの意)、フランス、97分
監督 :ジェローム・ル・メール
主演 :ジャリル・レスペール(シャルリ・マレシャル)、ジェラール・ランバン(フランソワ・マレシャル;父)、アリス・タグリオーニ(ブランシュ・モービュイソン)
★★ 破産寸前の実家のワイン農家を引き継ぐこととになったワイン評論家の息子と父親との確執、燐家の娘との愛。御都合主義のストーリーで映画としての出来は悪いが、ワイン好きやワイン造りに興味のある人ならどうぞ。

No.0134『殺人狂時代』
1967、日本、99分
監督 :岡本喜八
主演  仲代達矢、団令子、天本英世
★★ 映像的には岡本喜八節を感じられるが、原作が喜八監督のレベルに達していない感じ。ナチスがモチーフになっている。それにしても喜八監督は陽に陰に戦争がテーマの映画が多い。

No.0133『独裁者と小さな孫』
2014、原題:President、ジョージア・イギリス・フランス・ドイツ、119分
監督 :モフセン・マフマルバフ
主演 :ミシャ・ゴミアシュヴィリ、ダチ・オルヴェラシュヴィリ
我儘を尽くして国民を苦しめていた独裁者が革命により孫とともに変装して生き延びる話。設定は面白いけど、ストーリーが中途半端すぎて結末にまったく納得がいかない。国民の怒りがまったく足りない。政治犯が間抜けにしか見えない。革命が起きたら、直系の孫は何が何でも国外に逃亡させるだろう。寓話としてもどうなのかな? 題材が良かっただけに、ちょっと厳しめの採点。

No.0132『ミルカ』
2013、原題:Bhaag Milkha Bhaag、インド、153分
監督 :ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ
主演 :ファルハーン・アクタル、パワン・マルホートラ
★★★ 1960年ごろに活躍したインドの短距離選手(世界新記録も達成)であるミルカ・シンの伝記的映画。パキスタン独立で家族の多くを失い、故郷を追われたミルカは、その後も波乱万丈の人生を歩む。インド・パキスタン間の融和にも貢献する。題材がよく、悪くない映画だと思うけど、ちょっと描き方が退屈で冗長。良く言えば、分かりやすい。たぶん多くの大衆に観てもらいたかったのだろう。

No.0131
『チョコレート ドーナッツ』  
2014、原題:Any Day Now、アメリカ、92分
監督・製作・脚本:トラヴィス・ファイン
主演 :アラン・カミング(ルディ)、ギャレット・ディラハント(ポール)、アイザック・レイヴァ(マルコ)
★★★★ 本当の”家族愛”とは何かを考えさせられる映画。ゲイのカップル(ルディとポール)とダウン症の男の子(マルコ)が家族になるが、周囲の偏見により引き裂かれてしまう。語りすぎず、観る側に考えさせる。ルディを演じるアラン・カミングがめちゃ可愛い上に男らしくてステキ。原題の”Any Day Now”は劇中でルディが思いの丈を込めて歌うボブ・ディランの歌詞から取られている。ビターエンドだけど、是非観て、偏見や愛情について思いを馳せて欲しい。オススメ!

No.0130『杉原千畝 スギハラチウネ』
2015、日本、139分
監督:チェリン・グラック
主演 :唐沢寿明、小雪、ボリス・シッツ
★★★ 第2時世界大戦前夜から欧州を中心に活躍した日本の外交官・杉原千畝。日本政府の意に反してビザを発給し、2千人以上のユダヤ人を救った。外交官としてのその情報収集能力の高さもずば抜けていた。軍上層部が彼の情報をきちんと受け止めていたら、日本の歴史は変わっていたかもしれない。「体裁」という言葉がこんなに胸に響いたのは初めてのことだ。

No.0129『アトミック・ブロンド』
2017、原題:Atomic Blonde、アメリカ、115分
監督:デイヴィッド・リーチ
主演 :シャーリーズ・セロン(ローレン・ブロートン)、ジェームズ・マカヴォイ(デヴィッド・パーシヴァル)、ソフィア・ブテラ(デルフィーヌ)、トビー・ジョーンズ(グレイ)、ジョン・グッドマン(カーツフェルド)、ジェームズ・フォークナー(C)、ビル・スカルスガルド(メルケル)
★★★ 1989年。ベルリンの壁崩壊の時期における西側スパイのリストを巡る東西スパイの駆け引きと裏切り。シャーリーズ・セロンがカッコいい。映像やアクションもなかなか良い。ただスパイ映画全般に言えるけど、ストーリー的には見ている方は騙されるしかないのが辛いところ。

No.0128『ミラクル・ニール!』
2015、原題:Absolutely Anything、イギリス、85分
監督:テリー・ジョーンズ
主演 :サイモン・ペグ、ケイト・ベッキンセイル
★★ 優等種とかいう宇宙人が地球人を審査するためにイギリス人の冴えない男性教師に全能の力を与えたことで起こるドタバタ劇。

No.0127『ハミングバード』
2013、原題:Hummingbird、イギリス、100分
監督:スティーヴン・ナイト
主演:ジェイソン・ステイサム、アガタ・ブゼク

★★ 見所はJ. ステイサムのコンパクトなアクションとゲイを装う演技、修道女の内に秘めた情熱とトラウマ

No.0126『オレの獲物はビンラディン』
2016、原題:Army of One、アメリカ、92分
監督:ラリー・チャールズ
主演:ニコラス・ケイジ
★★アメリカ人のイカれたやつはやることも豪快。だけど全知全能の神はなんでアメリカの味方? どこまでか分からないけど、実話に基づく映画らしい。

No.0125『ぼくを探しに』
2013、原題:ATTILA MARCEL、フランス、103分
監督:シルヴァン・ショメ
主演:ギョーム・グイ(ポール・マルセル)、アンヌ・ル・ニ(マダム・プルースト)、ベルナデット・ラフォン
★★★★ 赤ちゃんの時に受けた精神的な衝撃でピアノの才能を開花しきれないポール・マルセルが、マダム・プルーストの魔術?で当時の記憶と自分を取り戻し、遂に才能を発揮するが……。なかなか味のある現代ファンタジー。マルセル・プルースト『失われた時を求めて』にインスパイアされて作られたと思われる(主要登場人物ふたりの苗字がマルセルとプルーストってちょっとベタだけど、終わりのクレジット見るまで気がつかなかった)。

No.0124『否定と肯定』
2016、原題:Denial、イギリス・アメリカ、107分
監督:ミック・ジャクソン
主演:レイチェル・ワイズ(デボラ・リップシュタット)、トム・ウィルキンソン(リチャード・ランプトン:法廷弁護士)、ティモシー・スポール(デイヴィッド・アーヴィング)、アンドリュー・スコット(アンソニー・ジュリアス:事務弁護士)、カレン・ピストリアス(ローラ・タイラー:事務弁護士補助)
★★★ ユダヤ系アメリカ人の歴史学者リップシュタット(レイチェル・ワイズ)がホロコーストを否定するイギリス人の学者(?)を非難する本を出版したら、イギリスで訴訟を起こされ、アメリカとは異なる裁判制度の中で戦う実話に基づく映画。法廷弁護士役のトム・ウィルキンソンが渋い。ネトウヨさんに是非観て欲しい。

No.0123『インスタント・ファミリー 〜本当の家族見つけました』
2018、原題:INSTANT FAMILY、アメリカ、119分
監督:ショーン・アンダース
主演:マーク・ウォールバーグ(ピート)、ローズ・バーグ(エリー)、イザベラ・モナー(リジー)
★★★ 負けず嫌いの子供のできない夫婦が兄弟3人(姉弟妹)を養子にしようと悪戦苦闘するコメディ。マーク・ウォールバーグって、あのとぼけた感じが良い。癒される。直前に観た映画(No.0120)のあまりの後味の悪さに口直しで観たが、正解。

No.0122『シチズンフォー | スノーデンの暴露』
2014、原題:CITIZENFOUR、アメリカ・ドイツ、114分
監督 :ローラ・ポイトラス
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ
★★★★ アメリカの国家情報局(NAS)が、世界中の個人の通信(ネットやメール、電話)を傍受していることを暴露したスノーデン氏を巡るドキュメンタリー。スノーデン氏の覚悟がすごいし、ジャーナリストも頑張った。こういう自らの危険を顧(かえり)みず、立ち上がるごくわずかな勇気ある人間がいるから、世界にはかろうじて公正さが残っている(保たれていると言えないのが悲しい)。『全ての政府は嘘をつく』と併せて観ると良い。

No.0121『アラビアの女王 愛と宿命の日々』
2015、原題:Queen of the Desert、アメリカ、128分
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
主演:二コール・キッドマン、ジェームズ・フランコ、ダミアン・ルイス、ロバート・パティンソン
★★★欧米が領土の取り合いを繰り広げる20世紀初頭のアラビアで、その知性と交渉力+美しさでワイルドなアラブの民たちの信頼を勝ち得た英国女性ガートルード・ベルの伝記映画。おそらくは彼女についてこられなかった二人の男との悲しい恋。この映画にも登場する「アラビアのロレンス」が、男版「砂漠の貴婦人(もしくは女王)」と言った方がいいほど、すごい女性だった。

No.0120『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺計画』
2016、原題:Anthropoid、チェコ・イギリス・フランス、120分
監督:ショーン・エリス
主演:キリアン・マーフィ(ヨゼフ)、ジェイミー・ドーナン(ヤン)
★★★ なんか虚しい展開だが、史実に基づく話らしいのでしょうがない。それにしてもイギリス政府とチェコ亡命政府は無謀な暗殺計画(原題Anthropoidは作戦名)を立てたものだ。戦った彼らだけではなく、ナチスの逆鱗に触れ、残されたチェコ市民の多くも犠牲になった。それでもハイドリヒ暗殺で歴史は少しでもいい方向に動いたのだろうか。そう考えないとやってられない。かなり後味の悪い映画なので要注意。すぐにマーク・ウォールバーグ主演の『インスタント・ファミリー』を観て、毒を中和した。

No.0119『92歳のパリジェンヌ』
2015、原題:La Dernière Leçon、フランス、105分
監督:パスカル・プレドゥー
主演:マルト・ヴィラロンガ(マドレーヌ)、サンドリーヌ・ボネール(ディアーヌ:長女)、アントワーヌ・ヂュレリ(ピエール:長男)、グレゴーアル・モンタナ(マックス:長女の息子)
★★★★ 意識はしっかりしているのに衰えゆく肉体。気力があるうちに安楽死することを選んだ92歳のおばあちゃん・マドレーヌの行動を通して、生きる意味、人間の尊厳、家族の絆を考えさせられる。

No.0118『すべての政府は嘘をつく』
2016、原題:All Covernments Lie – Truth, Deception, and the Spilit of I.F. Stone、カナダ、92分
監督:フレッド・ピーボディ
★★★★ 資本主義に絡め取られた大手メディアはもはや信頼できない存在。独立系メディアの先駆者I.F. ストーンと彼の志を継ぐ現代の独立系ジャーナリストの戦いを追うドキュメンター映画。『シチズンフォー | スノーデンの暴露』(No.0122)で活躍するグリーンウォルド記者や、言語学者のチョムスキー氏、マイケル・ムーア監督も登場します。

No.0117『ドリーマーズ』
2003、原題:The Dreamers、イギリス・フランス・イタリア、115分
監督:ベルナルド・ベルトリッチ
主演:マイケル・ピット、エヴァ・グリーン、ルイ・ガレル
★★★ ヌーヴェルヴァーグへの愛を感じる。パリに住む一卵性双生児の姉弟の特殊な関係に翻弄されるアメリカ人留学生の日々が、かなりエロティックに描かれる。ビターエンド。

No.0116『危険なメソッド』
2011、原題:A Dangerous Method、イギリス・ドイツ・カナダ・スイス・アメリカ、99分
監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
主演:マイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ
★★ 心理学者ユングの、師匠でもあるフロイトとの軋轢や患者であり助手でもあったザビーナとの恋愛に関するドラマ。ユングの人柄や当時の心理学の状況に興味のある人は楽しいかも。クローネンバーグ監督は僕の好みじゃないらしい。

No.0115『グッバイ、レーニン』
2003、原題:Good bye, LENIN!、西ドイツ、121分
監督:ヴォルフガング・ベッカー
主演:ダニエル・ブリュール(アレックス)、カトリン・ザース(クリスティアーネ)、チュルバン・ハマートヴァ(ララ)
★★★ 壁が崩壊する前後の東ドイツ・ベルリンが舞台。社会主義体制に反発するアレックス。夫が西側に行ったきり戻らない母のクリスティアーネは社会主義に傾倒。反体制運動に参加する息子を目撃した母は心臓発作で昏睡状態に。その後、母親は意識を取り戻すが、すでに壁は壊れ、西側の資本主義が流れ込んでいた。映画マニアの友人の力を借りて、母親にショックを与えまいと工夫するアレックス。なかなか、味わい深い。

No.0114『光をくれた人』
2016、原題:The Light Between Oceans、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド、132分
監督:デレク・シアンフランス
主演:マイケル・ファスフェンダー、アリシア・ヴィキャンデル、レイチェル・ワイズ
★★ 戦場で心が傷ついたトムは志願してオーストラリアの孤島の灯台守となった。灯台を管理する役人の若い娘イザベルがトムを癒し、結婚し、二人で孤島に暮らし始めるが、イザベルは流産。そこに男の遺体と生きた赤ん坊が流れ着き、二人は自分の子供と偽ってしまう。まあ、最後はよかったね。

No.0113『ザ・ファイター』
2010、原題:The Fighter、アメリカ、115分
監督:デヴィッド・O・ラッセル
主演  マーク・ウォールバーグ(ミッキー・ウォード)、クリスチャン・ベール(ディッキー)、エイミー・アダムス(シャーリーン)
★★ シュガー・レイからダウンを奪ったことが自慢の元プロボクサーの軽薄な兄や、母親を始めとする欲深い家族に足を引っ張られて、ボクサーとして才能があるのに成功できないミッキー(マーク・ウォールバーグ)。ちょっとひねくれた元陸上選手の彼女と付き合い始め、精神的に家族から独立することで、人間として成長し、ボクサーとしても成功する。実話に基づく映画。

No.0112『イエスタデイ』
2019、原題:Yesterday、イギリス、116分
監督:ダニー・ボイル
主演:ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェイムズ、エド・シーラン
★★ ザ・ビートルズの存在と音楽が世界から消えてしまったのに、もし売れないミュージシャンだけが曲を覚えていたら……本物のエド・シーランも重要人物で出ていた。

No.0111『天才作家の妻—40年目の真実—』
2017、原題:THE WIFE、スウェーデン・イギリス・アメリカ、101分
監督:ビョルン・ルンゲ
主演:グレン・クローズ、ジョナサン・プライス、クリスチャン・スレーター
★★ 決定的にダメなのは「天才作家」がノーベル文学賞レベルの作家ではないこと(原作の小説の問題?)。妻の人物像も浅すぎる。見所は主人公ふたりの演技力。

No.0110『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』
2014、原題:CHEF、アメリカ、115分
監督・脚本・製作・主演:ジョン・ファヴロー
主演:ジョン・ファヴロー、ジョン・レグイザモ、スカーレット・ヨハンソン、ソフィア・ベルガラ、オリバー・プラット、エムジェイ・アンソニー、ダスティン・ホフマン
★★★ パッとしない老舗レストランのシェフ・カールは実はかなりクリエイティヴな料理人。ブログ料理評論家に代わり映えしないと酷評されてもメニューを変えない保守的なオーナーに業を煮やし、次の当てもなく店を辞めてしまう。カールを見兼ねた元妻は息子ともにカールをマイアミに連れていく。そこで食べたキューバサンドウィッチに感動。元妻の元夫からボロボロの屋台トラックを入手し、息子と改装。レストランでの右腕・マーティンも加わり、マイアミからロスアンゼルスへと激ウマのキューバサンドを売り歩き、大評判に! 終盤のライブ横で売るシーンがあるのですが、ブルースっぽいギターが泣かせる‼︎ クレジットで調べたら Gary Clark Jr. という人でした。Apple Music で聴いてみたら、やっぱり良かった。

No.0109『サウスポー』
2015、原題:Southpaw、アメリカ・中国、123分
監督:アントワーン・フークア
主演:ジェイク・ギレンホール(ビリー・ホープ)、レイチェル・マクアダムス(モーリーン・ホープ:妻)、フォレスト・ウィテカー(ティック・ウィルズ)、ウーナ・ローレンス(レイナ・ホープ:娘)、ミゲル・ゴメス(ミゲル・エスコバル)
★★★ 打たれて、最後は打ち勝つライトヘビー級チャンピオンのビリー・ホープ。リング外で新進気鋭のミゲルの挑発に乗った挙句、妻を亡くし、娘は施設に取られ、豪邸も高級車もボクシング・ライセンスも失ってしまう。因縁のある場末のボクシングジムの扉を叩き、厳しい規律の元、ボクシング・スタイルを変え、人間としても成長していく。チャリティーマッチで勝利したビリーに、現チャンピオン・ミゲルとのタイトルマッチの話が持ち込まれる……。深みはないが、映画として悪くない。

No.0108『戦場のピアニスト』
2002、原題:The Pianist、フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス、150分
監督:ロマン・ポランスキー
主演:エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン
★★★★ ショパンの出身地であるポーランドがナチス・ドイツに侵攻される。当時の同国を代表するピアニストであったユダヤ人系ポーランド人のシュピルマンの手記に基づく映画。見どころはやはり、シュピルマンが逃げ延びて、逃げ延びて、廃屋でこっそり暮らしていたところにナチスの将校(人間味があり、文化を理解している)がやってきて、ピアノを弾かせられるところだろう。

No.0107『ラ・ラ・ランド』
2016、原題:LA LA LAND、アメリカ、128分
監督 ・脚本:デイミアン・チャゼル
主演:ライアン・ゴズリング(セブ)、エマ・ストーン(ミア)
★★★ 前半のミュージカル部分はやや辛かったのだが、二人が接近して絡み合った辺りから俄然面白くなった。ジャズピアニスト・セブ役のゴズリングはかなり様になっていたのが、撮影前にピアノの特訓をしたと知って驚いた。ビターな終わり方も大人の恋らしくて良いね。

No.0106『手紙は憶えている』
2015、原題:REMEMBER、カナダ・ドイツ、95分
監督:アトム・エゴヤン
主演 :クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー、ヘンリー・ツェニー、ディーン・ノリス、ブルーノ・ガンツ
★★★ アメリカのとある老人ホーム。最近妻を亡くしたことさえ忘れてしまう老人セブ。同じホームの車椅子生活をする友人マックスから手紙を渡される。二人はアウシュヴィッツ収容所の生き残りという設定だ。家族を殺したナチスの残党を探し出すための手順や、同名の四人の容疑者リストとその居所が書かれている。それに従って、セブは次々と容疑者を訪ねていくが……。認知症であることがサスペンスになっていてユニーク。

No.0105
『ザ・ロック』
1996、原題:The Rock、アメリカ、135分
監督:マイケル・ベイ
製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
主演 :ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス
★★★★+ ショーン・コネリーが亡くなったらしい(2020年11月1日のニュース)。007シリーズやインディ・ジョーンズなどが有名な作品なのだろうが、僕はそのころのショーン・コネリーを特に好きではなかった。でもこの『ザ・ロック』を観て、すごく好きになった。最後に観たのは2020年3月だけど、番外編ということで。

No.0104『パディントン』
2014、原題:Paddington、イギリス・フランス、95分
監督:ポール・キング
主演 :ベン・ウィショー(パディントンの声)、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、二コール・キッドマン
★★ 南米の架空の種類のクマさん(人間の言語を話せる)がロンドンにやってきて騒動を巻き起こす。拾ってもらった家族は気持ちがバラバラになりかけていたが事件をきっかけに絆を取り戻す。ストーリーは子供騙し程度。二コール・キッドマンの悪役ぶりが楽しい。イギリス流ユーモアが楽しめるファミリー映画。

No.0103『エルネスト もう一人のゲバラ』
2017、日本・キューバ、214分
監督 ・脚本:阪本順治
主演 :オダギリ・ジョー、永山絢斗
★★★ チェ・ゲバラと共に戦った日系ボリビア人の生涯を映画化。キューバでカストロらが支援する医学校に通っていたが、母国ボリビアの惨状を知るとともにゲバラに共感し、革命に身を投じる。同じ医者であったこともあり、ゲバラから暗号名?としてエルネストを与えられた。彼の最期のシーンは、『チェ 39歳別れの手紙』(No.0094)でも登場する。

No.0102『ボブ・ディラン/我が道は変わる 〜1961-1965 フォークの時代〜』
2016、原題:Bob Dylan – Roads Rapidly Changing: In and Out of the Folk Revival 1961–1965、イギリス、124分
監督:ロブ・ジョンストーン
★★★ ノーベル文学賞を受賞したシンガーソングライターのボブ・ディランに関するドキュメンタリー映画。彼の音楽の移り変わりと当時の音楽シーン、時代背景がよくわかる。陰に陽に彼の影響を受けたミュージシャンは多いと思われる。音楽好きなら見ても損はない。

No.0101『女神の見えざる手』
2016、原題:Miss Sloane、フランス・アメリカ、132分
監督:ジョン・マッデン
主演 :ジェシカ・チャステイン(エリザベス・スローン)、マーク・ストロング(ロドルフォ・シュミット)
★★ 銃規制を巡るやり手の女性ロビイストの活躍を描いたもの。オリジナルの脚本はジョナサン・ペレラさん。元弁護士で、クリエイティブな仕事をしたくて小学校教師に転向してこの映画の脚本を書き上げて、それが映画化された。すごいことだ。元弁護士だけに法律関係の描写が詳細で、映画にリアリティをもたらしていた。

No.0100『ケミカル・ハーツ』
2020、原題:Chemical Hearts、アメリカ、93分
監督 :リチャード・タンネ
主演 :オースティン・エイブラムズ(ヘンリー)、リリ・ラインハート(グレイス)
★★★ 心と体に傷を負い転校してきた少女グレイスと高校の新聞部長になった内向的な少年ヘンリーとの交流と恋。グレイスのひねりの効いた過去の設定が上手いと感じた。胸キュンしたい人向け。ラストもなかなか爽やか。

No.0099『BPM ビート・パー・ミニット』
2017、原題:120 battements par minute、フランス、140分
監督・脚本:ロバン・カンピヨ
主演:ナウエル・ピエール・ビスカヤート(ショーン)、アルノー・ヴァロワ(ナタン)、アダル・エネル(ソフィ)
★★★★ 1990年代前半のパリでHIV患者の若者たちが、無策な政府や消極的な製薬会社に対して意義を唱え、偏見と戦い、患者の権利を勝ち取るべく戦う実話に基づく映画。不思議とHIVに感染しなかったナタンが天使を思わせる献身さでショーンを支える。その愛が美しかった。

No.0098『コロンビアーナ』
2011、原題:Colombiana、アメリカ・フランス、108分
監督 :オリヴィエ・メガトン
主演 :ゾーイ・サルダナ(カトレア)、アマンドラ・ステンバーグ(カトレア:少女期)
★★ 少女時代のカトレア役の子が可愛くて、運動能力が高くて、カッコよかった。アクションはいいけど、ストーリーに無理があって、途中で挫折しそうになった。こじつけはダメだ。大人のカトレアはほうれい線が気になってしょうがなかった……。金はかかっているみたいだし、画は悪くないんだけどなぁ。良くも悪くもリュック・ベッソン(製作)の映画だ。

No.0097『フレンチ・ラン』
2016、原題:Bastille Day、イギリス・フランス・アメリカ、92分
監督:ジェームズ・ワトキンス
主演:イドリス・エルバ(ショーン・ブライヤー)、リチャード・マッデン(マイケル・メイソン)、シャルロット・ルボン(ゾーエ)、ジョゼ・ガルシア(ヴィクター・ガミュー;黒幕警察上層)、ティエリ・ゴダール(ラフィ・ベルトラン;悪徳警官ボス)
★★★ 映画の作りとしてはB+という感じなのだが、アクションやスピード感、暴走CIA捜査官とパリのアメリカ人スリという組み合わせのバディが面白い。92分と短いが、思いの外、凝縮感があって、時間以上の充実感はあった。スキッとしたい人にはいいかも。僕もスキッとしたくて観て、スキッとした。

No.0096 
『ナイトクローラー』
2013、原題:Nightcrawler、アメリカ、118分
監督 ・脚本:ダン・ギルロイ
主演:ジェイク・ギレンホール(ルイス・ブルーム)、レネ・ルッソ(ニーナ・ロミナ:TVディレクター)、リズ・アーメッド(リック:ルーのアシスタント)
★★ Nightcrawler(大ミミズや夜遅くにうろつき回る人の意)そのもののような主人公ルー(ジェイク・ギレンバーグ)が警察無線を傍受して事件現場を撮影するフリーのビデオカメラマンとして成功しながらも、虫けら以下の人間となっていく胸糞悪い映画だが、人間の醜悪さは
よく描いている。

No.0095『ポリーナ、私を踊る』
2016、原題:POLINA、フランス、108分
監督 ヴァレリー・ミュラー&アンジュラン・プレルジョカージュ
主演:アナスタシア・シェフツォワ
★★★ フランスのグラッフィク・ノベルが原作。ロシアの才能あるバレエダンサーの少女が、クラッシックバレエに疑問を感じ、フランス人の彼氏と共にフランスに渡り、モダン・バレエに挑戦する。その挫折と成功を描く。ストーリーに納得できないところも多かったが、最後の舞台はなかなかよかった。

No.0094『チェ 39歳別れの手紙』
2008、原題:Che Part 2、アメリカ・フランス・スペイン、133分
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
主演:ベニチオ・デル・トロ
★★★★ 革命家チェ・ゲバラの生涯を描いた後編。希望のあった前編と違って、ボリビアではゲバラの理想主義はまったく通じず、武装闘争は米軍をバックにつけたボリビア軍に次第に追い詰められていく。それでも、自らの主義を一切曲げずにゲバラは貧しい民を救おうとする。革命家になる前の若きゲバラが南米をバイクで旅する映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』もオススメ。

No.0093『チェ 28歳の革命』
2008、原題:Che Part 1、アメリカ・フランス・スペイン、132分
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
主演:
ベニチオ・デル・トロ
★★★★ 革命家チェ・ゲバラの生涯を描いた前編。ゲバラが凄いのは、兵士や協力者の一人一人の名前を聞き、ひとりの人間として扱うところだ。たとえ一兵卒であろうとも悩みがあれば聴き、解決をしてやる。ゲバラの行動の中心原理は「愛」であり、それを武装闘争の中で実践していく強さにはただ敬服するばかりだ。『セックスと嘘とビデオテープ』(古い?)のソダーバーグ監督。

No.0092『潜入者』
2015、原題:THE INFILTRATOR、アメリカ、127分
監督:ブラッド・ファーマン
主演:ブライアン・クランストン、ジョン・レグイザモ、ベンジャミン・ブラット、ダイアン・クルーガー
★★★ 1980年代にコロンビアの麻薬王を逮捕するために実際に行われた危険な潜入捜査に基づく映画。白人の富豪になりすました白人捜査官とスペイン語の得意な中南米出身の相棒。取引をするふりをして、徐々に内部へと入っていく。麻薬王も人間。捜査官も人間。友情が芽生えてしまった後のラストが物悲しい。

No.0091『ツレがうつになりまして。』
2011、日本、121分
監督:佐々部清
主演:宮﨑あおい、堺雅人
★★ 子供のいない30代半ばくらいの夫婦。夫はソフトウェア関係のクレーム処理係をしていたが、鬱になり退職し、主夫となる。家で漫画家をしていた妻も連載打ち切りの憂き目に。それでも妻は別の仕事を得て、夫も徐々に回復する。あることをきっかけにこれらの体験談が漫画となる。夫もうつ病の経験を講演で話せるまで回復する。

No.0090『ヒトラーの忘れもの』
2015、原題:LAND OF MINE、デンマーク・ドイツ、101分
監督 ・脚本:マーチン・サントフリート
主演:ローラン・ムラ(ラスムスン軍曹)、ミゲル・ボー・フルスゴー(エベ大尉)、ルイス・ホフマン(セバスチャン・シューマン)
★★★ 第2次世界大戦終了直後、デンマークに残されたナチスの少年兵達が、ナチスの残した地雷撤去作業に従事させられる。ナチスのしたことはもちろん非道かったけど、少年兵たちに対するデンマーク軍の行いもなかなかのもの。タイトルはわからないが、ドイツ兵の子供を産んだフランス女性が坊主刈りにされて市中を引き回されるところを撮ったロバート・キャパの写真を思い起こした。

No.0089『少林少女』
2008、日本、107分
監督:本広克行
主演:柴咲コウ、仲村トオル、江口洋介、岡村隆史、キティ・チャン、山崎真実
★★ まあストーリーは陳腐でひどい。柴咲コウのアクションセンスと派手な映像が見どころ。江口洋介の師範役がイマイチしまらん。仲村トオルの悪役は悪くない。「バトル・ロワイヤル」や「どろろ」で柴咲コウの動きを見て、切れ味があると思って、それを確認したくて観た。でもまあ楽しめた。

No.0088『ヒトラーに屈しなかった国王』
2016、原題:Kongens nei、英題:The King’s Choice、ノルウェー、136分
監督 エリック・ポッペ
主演:イェスパー・クリステンセン(ホーコン7世)、アンドレス・バースモ・クリスティアンセン(オラフ5世)、カール・マルコヴィクス(ブロイアー;駐ノルウェー・ドイツ公使)
★★★ ナチス・ドイツに侵攻されたノルウェー。国王ホーコン7世は降伏を迫られるが、地方に逃げ延びながら抵抗を指揮し続け、国を守る。しかもデンマークからやってきた国王で、国民投票で選ばれた人。でもこれだけ愛されれば国民だって国王のために頑張ろうと思う。サスペンス感たっぷりの歴史もの。国のリーダーのあり方を教えられる。

No.0087『風をつかまえた少年』
2019、原題:The Boy Who Harnessed the Wind、イギリス・マラウイ、113分
監督・脚本・出演:キウェテル・イジョフォー
主演:キウェテル・イジョフォー、マックスウェル・シンバ, リリー・バンダ
★★★ アフリカの貧しい国が舞台の実話に基づく物語。保守的で頑固な父親は干ばつに対応できず経済的に困窮する。発明好きの息子は学費を払ってもらえずに中学を退学させられてしまう。息子は風力発電を使った井戸からの揚水を考えつくが父親の理解を得られない。それでも仲間とともに実現に向け動き出す。爽やかな後味。

No.0086『涙するまで、生きる』
2014、原題:LION DES HOMMES、フランス、101分
監督:ダヴィッド・オールフォッフェン
主演:ヴィゴ・モーテンセン、レダ・カテブ
★★★★ アルベール・カミュの短編『追放と王国』の「客」を原案とした映画。カミュの人間性や不器用な優しさが伝わってくる。映画として完成度が高い。かなりおすすめ。

No.0085『どろろ』
2007、日本、138分
監督:塩田明彦
主演:妻夫木聡、柴咲コウ、中井貴一、瑛太
★★★ 手塚治虫原作の哀しみに溢れる妖怪ものの活劇。妻夫木くんの演技、柴咲コウのアクションに目を奪われた。架空の戦国時代っぽい舞台も頑張って撮ったなという感じ。

No.0084『ククイ 伝説のブギーマン』
2016、原題: CUCUY The Boogeyman、アメリカ、97分
監督:ピーター・サリヴァン
主演:マリソル・ニコラズ
★★ うーん。映画と呼んでいいのか、という出来。でも描きたいことはわからなくはない。メキシコ系アメリカ人に関する民俗学的ホラー。ストーリーはひどいけど、ナマハゲとか好きな人は興味あるかも。

No.0083『ヒア アフター』
2010、原題: Hereafter、アメリカ、129分
監督:クリント・イーストウッド
主演:マット・デーモン(ジョージ)、セシル・ドゥ・フランス(マリー)、Frankie and George McLaren(兄ジェイソン、弟マーカス)
★★★ 死者からのメッセージを受け取ることのできる霊能者の青年と臨死体験をした女性ジャーナリスト、双子の兄を亡くした弟との不思議な出会いと交流を描いている。特殊な能力や特殊な体験などを持つ人たちの苦しみと悲しみと、それを分かり合える人と出会えた時の喜び。イーストウッド監督はいろいろなタイプの映画を撮るなぁ。

No.0082『プリズナーズ』
2013、原題:PRISONERS、アメリカ、153分
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ヒュー・ジャックマン(ケラー・ドーヴァー)、ジェイク・ギレンホーク(ロキ刑事)、ヴィオラ・デイヴィス(ナンシー・バーチ)、マリア・ベロ(グレイス・ドーヴァー)、テレンス・ハワード(フランクリン・バーチ)、メリッサ・レオ(ホリー・ジョーンズ)、ポール・ダノ(アレックス・ジョーンズ)
★★★★ もし自分の幼い娘が誰かにさらわれたら、しかも警察は手ぬるい操作しかしてくれないとしたら、父親はどういう行動を取るか? ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、極限状態に追い込まれた時の人間の心理と行動を緊張感のある映像と音で描き出す。

No.0081『リトル・フォレスト(夏・秋)(冬・春)』
2014、日本映画?、約1時間 x 4本
監督:森淳一
主演:橋下愛(いち子)、三浦貴大(ユウ太)、温水洋一、桐島かれん(母・福子)、松岡茉優(キッコ)
★★ 農業、無理。1日中、一年中、働きっぱなし。本当に大変な仕事です。でも、自然の恵みを食べる喜びに溢れている(主人公のいち子は食いしん坊の料理好き)。四六時中自然と向き合って生きているからこその最後の神楽なのだろう。神への感謝とほんの一瞬の解放。見所は、山村における農業の大変さと収穫とそれを食す喜びと四季折々の風景。それにしても父親の話が全然出てこなかったな。

No.0080『ビューティフル・デイ』
2017、原題:You were never really here、アメリカ・イギリス・フランス、90分
監督:リン・ラムジー
主演:ホアキン・フェニックス(ジョー)、エカテリーナ・サムコソフ(ニーナ)
★★★ 退役軍人のジョーはPTSDに悩ませられながら、その戦闘能力を武器に人探しの仕事をしている。上院議員の年頃の娘ニーナを探す仕事が舞い込むが、そこには政治的罠が関わっていた。首尾よくニーナを助け出したものの、訳のわからない敵が次々と現れる。簡単に入手できるハンマーを武器とするジョーの戦いぶりとニーナとの関係の変化、そして映像が見どころ。

No.0079『ネオン・デーモン』
2016、原題:THE NEON DEMON、フランス・デンマーク・アメリカ、117分
監督:ニコラ・ウィンディング・レフン
主演:エル・ファニング(ジェシー)、ジェナ・マローン(ルビー;メイクさん)、キアヌ・リーヴス(モーテル管理人)
★★★★ ただし、人を選ぶ。映像化された悪夢。宣伝用の一見おしゃれに見える色使いの画像に騙されると、とんでもない目に遭う。ホラー映画は基本的に観ないけれど、たぶんホラー映画よりも怖い。グロいシーンはあるが必然性があるので不愉快にはならない。主役のエル・ファニングを美しいと感じられないまま観ていたので(ファンの方、ごめんなさい)、まだ映画に呑み込まれずに済んだが、もし主演の女優が僕の本当に美しいと感じるひとだったらと思うと、ちょっと恐しい。

No.0078『大誘拐 RAINBOW KIDS』
1991、日本、119分
監督:岡本喜八
主演:北村谷栄、緒形拳、風間トオル
★★★ 痛快! 間抜けでお人好しで軽い前科持ちの三人組が紀州の山林王のおばあちゃんの誘拐を企てるが、器の大きなおばあちゃんに翻弄され、むしろ利用されてしまうというコメディ。戦争や国家のバカバカしさを岡本喜八監督が笑いと哀愁で語る。テンポやギャグは古さを感じるが、気骨あふれる岡本節は令和の現在でも通用する。

No.0077
『インターステラー』(2014、原題:INTERSTELLAR) 監督 クリストファー・ノーラン
★★★ 砂塵嵐が頻発して農作物も育たなくなりつつある近未来で、元宇宙飛行士とその娘が何かに導かれ、人類の移住先を探すための秘密基地に行き当たる。かつての仕事仲間である教授がそのプロジェクトのリーダで、その娘らとともに物理理論を用いたワープ航法で移住先を探す探検に出発するが……。科学的理論に基づいたSFと人間臭いドラマの対比が秀逸。ノーラン監督らしい映像も良い。

No.0076
『早熟のアイオワ』(2007、原題:THE POKER HOUSE) 監督 ロリ・ペティ
★★★★ 生きる希望を与えてくれる秀作。原題は “THE POKER HOUSE”。違法に賭博場を開き、売春宿を兼ねている家の三人姉妹の長女アグネス(ジェニファー・ローレンス)が主人公。母親も娼婦をしており、その彼氏——タイガー・ウッズ似の色男——がポン引きのクソ野郎だ。監督・脚本のロリ・ペティの自伝的——つまり実話に基づく——作品らしい。

No.0075
『ロープ 戦場の生命線』(2015、原題:A Perfect Day) 監督 フェルナンド・レオン・デ・アラノア
★★★ バルカン半島のとある地域で、住民の保健・衛生を守るべく活動するNGO国際支援団体が、ある集落唯一の井戸に投げ込まれた人間の死体を引き上げるべくロープを探し回る話が主たるストーリー。利害関係が入り組み、とにかくロープがなかなか手に入らないのだ。国連査察官である主人公の元カノ(オルガ・キュリレンコ)がやってきて、痴話喧嘩も起きたりもし、かなり危険で悲惨な状況がユーモアたっぷりに明るく乾いたタッチで描かれる。ただし、紛争地帯だけに少々残酷なシーン(さほど露骨ではない)があるので、苦手な人は避けた方がいいかも。

No.0074
『スポットライト 世紀のスクープ』(2016、原題:Spotlight) 監督  トム・マッカーシー
★★★★ ピューリッツァー賞を受賞した米国の地方新聞「ボストン・グローブ」のスクープを映画化。何年にも渡る複数の聖職者による児童性的虐待の実態を地道な取材で明らかにした同紙編集部の活躍を描く。編集長、記者のそれぞれがまともな仕事をしなければ、強固に隠蔽された悪事は表に出ないのだ。

No.0073
『マリアンヌ』(2016、原題:Allied) 監督 ロバート・ゼメキス
★★ 第2次世界大戦の欧州が舞台のスパイもの。マリオン・コティヤールの演技はいいけど、ストーリーが駄目ダメ。とても優秀なスパイとは思えない行動が多数。

No.0072
『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(2014、原題:Fehér isten (白い神)) 監督 コーネル・ムンドルッツォ
★★★ ブダペストらしき架空の街が舞台。母親の都合で雑種の中型犬ハーゲンと一緒に離婚した父親の元に預けられた少女リリ。雑種犬には重税が課せられており、父親は無理矢理捨ててしまう。行政の野犬狩りを逃れるも、闘犬育成屋に売られ、凶暴になる薬を打たれてしまうハーゲン。最強の闘犬になるが、理性はそれを嫌がっている。逃げ出したハーゲンは野犬狩りに捕まるが、同じ施設のたくさん仲間を引き連れ、リリを求めて街に逃げ出す。街はパニックに陥り……。最後にリリとハーゲンの心が通うシーンが救いだ。

No.0071
『シェルカウイ 踊りで世界を救う、41日の戦い』(2016、日本のドキュメンタリー)
★★★★ WOWOWのドキュメンタリー。舞台振り付け・演出家のシディ・ラルビ・シェルカウイが、ジャンルや国籍も様々なダンサーと音楽家を集め、本人も出演する舞台を作っていく。以下の言葉が印象に残った:「居心地の良い場所に居続けると危険な泡の中に閉じこもってしまいます。成長するには自分の習慣で作られた危険な泡を壊さなくてはいけない。それを可能にするのがアートなんです」「アートは継続的にシステムを壊すように仕向けてくれるもの。既存のシステムに頼りきると成長を止めてしまいます。成長を止めると死を迎えるしかないのです」

No.0070
『バトル・ロワイヤル』(2000、日本映画) 監督  深作欣二
★★ ちょっと『蝿の王』を思わせるストーリー。孤島に送られたある中学生のひとクラスが殺し合いをして、最後に生き残った者だけが帰還できるという設定。山本太郎、安藤政信、ビートたけし等、脇役陣が見もの。高見広春の同名小説が原作。

No.0068
『トップガン』(1986、原題:Top Gun) 監督 トニー・スコット
★★ 言わずと知れたトム・クルーズ主演の『トップガン』。能天気なアメリカン映画。「エンターテイメント映画の基本」という感じのつくり。なぜいまさら『トップガン』かというと、続編『トップガン マーヴェリック』が近日公開(2020年8月30日現在)だからではなく、大好きなエンタメ映画『ザ・ロック』(ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー主演)製作の二人だからでもなく、拙著『連作・雑木林(1~8)』([記憶の始まり【連作・雑木林1】(百一 里優) – カクヨム](https://kakuyomu.jp/works/1177354054914930315)) でこの映画をちょこっと登場させて、トム・クルーズが劇中で乗るバイク、”Kawasaki GPz900R Ninja” の話題を出したから。

No.0068
『空海』(1984、日本映画) 監督 佐藤純彌
★★★★ 空海こと弘法大師の半生を描いた映画。いかにして超人になったか、いかにして日本を変えたか。司馬遼太郎の『空海の風景』を読んだことがあるが、その印象と重なる部分が多かった。映画としては古臭いけど、内容的には見る価値あり。

No.0067
『ラスト・クリスマス』(2019、原題:Last Christmas) 監督 ポール・フェイグ
★★★★ Wham!の名曲ラスト・クリスマスを題材にした現代ファンタジー&ラブ・ストーリー。B級映画に魔法がかけられ素敵な映画になった感じ! ビータエンドではあるが、ラストで謎を明かされて、涙した。心温まる素晴らしい作品。癒されたい人におすすめ‼︎

No.0066
『ある少年の告白』(2018、原題:BOY ERASED) 監督 ジョエル・エドガートン
★★★ 大学に入った頃、自分がホモセクシュアルだと気付いたジャレッド。説教師の父親はそのことを受け入れられず、ジャレッドを「矯正施設」に入れる。そこは、ゲイを病気だと考え、無理矢理にでもヘテロセクシュアルへと変えようとする暴力的施設だった。実話に基づく映画。

No.0065
『愛を読むひと』(2008、原題:The Reader) 監督 スティーブン・ダルトリー
★★★ 第2次世界大戦後のドイツで、親ほども年の離れた女性(ハンナ)と15歳の少年(マイケル)との恋。男女の関係になり、事後のベッドでハンナに本を読んで聞かせるマイケル。だがハンナはある日突然姿を消してしまう。その後、法学生となったマイケルは、ナチス戦犯の裁判を傍聴しに行き、被告席にハンナの姿を発見する。

No.0064
『ワンダフルライフ』(2009、英題:After Life) 監督 是枝裕和
★★★ 割と実験的な映画。死んだ直後の人が天国に行くまでの7日間、人生で最も印象に残った出来事や楽しかった思い出をひとつだけ選び、その施設のスタッフたちが再現ビデオを作成し、それだけを胸に天国へと旅立つという設定。演劇っぽい。映画としての完成度は今一つかなぁと思いつつ、最後まで楽しんだ。監督は誰だろうとクレジットに注目していると、是枝監督だった。結局僕はこの監督の映像と脚本が好きらしい。

No.0063
『奇蹟がくれた数式』(2016、原題:The Man Who Knew Infinity) 監督 マシュー・ブラウン
★★★ 本当の天才の苦難に満ちた人生を垣間見たい人にオススメ。第一次世界大戦の時代にケンブリッジ大学に招かれたインド人の天才数学者ラマヌジャンの苦難と成功と失意と達成に満ちた人生の実話に基づく物語。

No.0062
『君は月夜に光り輝く』(2019、日本映画) 監督 ・脚本 月川翔
★★ 北村匠海くんの演技力で泣かせる映画。大人になるまで生きられない(架空の)病気「発光病」に罹った同級生(永野芽郁)との恋愛映画。その病気と北村くん演じる岡田卓也との関係を途中まで観客に知らせない脚本に納得できなかったが、そのことをそれとなく表現してくれていた北村くんの演技力はさすがだと思う。

No.0061
『ザ・シークレットマン』(2017、原題:Mark Felt) 監督 ピーター・ランデズマン
★★★ ニクソン米国大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件。”ディープスロート”だったFBI副長官マーク・フェルトの信念に基づく行動。密かな捜査への大統領側のすごい圧力に屈しなかったから、あの事件が表に出た。

No.0060
『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ 』(2016、原題:LES HERITIERS) 監督 マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール
★★★★ パリの荒れた高校に着任したベテランの女性歴史教師が、ある課題を通して、生徒たちに目標を達成することの喜びやチームとして力を合わせることの大切さを教えていく実話に基づく話。だらだらと虚しい日々を送る高校生たちが、ホロコーストを調べていくうちに、諍いや問題を起こしながらも徐々に生きる意味を学び、キラキラしてくるところが素敵。これを観ていると、生徒たちの人生というのは教師(の質)によって大きく左右されることがわかり、学校における運・不運は確実にあるなと思う。

No.0059
『ボーダーライン』(2016、原題:Sicario) 監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
★★★★★ ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、愛してます。冒頭の何気ない空撮だけでやられる。

No.0058
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(2017、原題:Borg McEnroe) 監督 ヤヌス・メッツ
★★★ 1980年のウインブルドン・男子決勝。ビヨルン・ボルグvsジョン・マッケンロー。頂点を極めていた男と頂点に昇り詰めようとする男の対決。試合の翌日、両者が空港に居合わせる。気難しく友達もいないようなボルグが、ヘッドホンで音楽を聴きながら一人たたずむマッケンローを発見。ボルグは思わず彼に歩み寄り、話しかける。驚いてヘッドホンをはずすマッケンロー。ふたりはどこか気恥ずかしげに、前日の互いの戦いを称える。勝者も敗者もなく、相手を心の底からリスペクトする気持ちだけ。抱擁する二人の間に、技術・精神両面で普通の領域を超えた死闘をした二人にしかわからない繋がりが生まれる。テニスというネットを挟んでボールを打ち合う独特の距離感の友情であり、かつそれは精神の直接の繋がりでもある。本当にそれほどの試合だったのだ。

No.0057
『女は二度決断する』(2017、原題:Aus dem Nichts) 監督  ファティ・アキン
★★★★ ドイツ・ハンブルグが主な舞台のレイシズムやテロリズムを題材にしたサスペンス。トルコ系移民の夫と愛息を無差別テロで殺された妻が思うように進まない裁判に苦しみ、自らの手で主犯を探し出し、復讐することを決意する。緊張感のある展開は良かったが、最後はやっぱりちょっと悲しさと虚しさが漂う。

No.0056
『午後八時の訪問者』(2016、原題:La Fille inconnue) 監督 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
★★★ 医者としてのプライドと責任と多忙さに心の固くなっていた若い女性医師ジェニーが、事件を通して、人間として他人(さらには己れ)と対峙することで自分を取り戻して、成長する。わずかな心の変化がその人の行動に少しずつ影響を与える模様が繊細に描かれる。

No.0055
『グッバイ、サマー』(2015、原題:MICROBE et GASOIL) 監督・脚本 ミシェル・ゴンドリー
★★★★ フランスの14歳の甘酸っぱい友情と冒険と成長と恋の物語で、個性的な男の子ふたりに個人的にハマった。

No.0054
『ベロニカとの記憶』(2018、原題:The Sense of an Ending) 監督 リテーシュ・パトラ
★★★★ 『終わりの感覚』という英国ブッカー賞受賞小説が原作。論理的に構築された捻りの効いた脚本で割といい映画だったのだが、心は揺すぶられなかった。原作はどうなのかを知りたくて、訳本を買った。

No.0053
『ある天文学者の恋文』(2016、原題:correspondence) 監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
★★ 年老いた天才天文学教授と若い研究者の恋の話。自分の死を知っていた教授は様々な手段を使って若い恋人にその死後もさまざまなメッセージを届けていく。まあ、ロマンチックといえばそうなのだが、いくら天才でもそこまで都合よく事は運ばないだろう。オルガ・キュリレンコが素敵だから、良しとしよう。

No.0052
『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』(2014、原題:SIVAS) 監督 カアン・ミュジデジ
★★★★ トルコの不法闘犬が題材。一度は負け、捨てられた闘犬シーヴァスを少年が拾い、再生させる。ところが一儲けできると思った兄や周囲の大人たちに利用され、大きな大会に参加させられてしまう。傷だらけになりながらもなんとか勝利を収めたシーヴァス。もう戦うことをやめさせたい少年。だが旨味を知った大人たちはそれを許さず、少年を言いくるめる。すべてを悟ったように車の外を眺めるシーヴァスの凛々しさが悲しいほどに爽やかだった。

No.0051
『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017、原題:Ghost in the Shell) 監督 ルパート・サンダース
★★ 原作の『攻殻機動隊』(アニメ?)が人気なのは知っている。スカーレット・ヨハンソンも可愛い。でも、どうも、集中できなくて、途中で寝た(その後、一応、最後まで観たけど)。

No.0050
『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(2016、原題:DANCER) 監督 スティーヴン・カンター
★★ 前半の若き日の踊りは素晴らしかったけど、薬をやりはじめた後半の踊りはアカン(身体がボロボロという事情はあったにせよ)。やっぱ人間、薬に頼ってはアカンのだ。芸術が死んでしまう。

No.0049
『スクランブル』(2017、原題:Overdrive) 監督 アントニオ・ネグレ
もう誰が主役かわからないほど俳優陣に魅力なし。主演のお兄さん役はクリント・イーストウッドの息子らしいけど(確かに言われてみれば顔は似ている)。登場するクラッシックカーはレプリカなのだろうけど、唯一の見どころ。ちらっと出てくるクリオRSやシビックTypeRもマニアック。脚本が最悪。見どころは車のみ。

No.0048
『完全なるチェックメイト』(2015、原題:Pawn Sacrifice) 監督 エドワード・ズウィック
★★★ 米ソ冷戦下。チェスの絶対王者であるソ連人のボリス・スパスキーに挑むアメリカの若き天才ボビー・フィッシャーの勝利と挫折。国家のメンツを背負わされた天才の一瞬の輝きと悲劇。苦い後味。

No.0047
『永い言い訳』(2016、日本映画) 監督 西川美和(原作、脚本)
★★★ 美容師の妻が友人とスキーに行った夜、愛人を家に連れ込み楽しむ小説家・衣笠幸夫。ところがバスが事故を起こし、妻とその友人は死んでしまう。以前からスランプで書けなくなっていた幸夫。同時に死んだ妻の友人の夫、トラック運転手の洋一の家に入り浸り、二人の子供の面倒を見るようになった幸夫は充実した日々を過ごす。ところが妻の遺品から、妻がすでに自分を愛していなかったことを知り、その衝撃で洋一らとの関係も壊してしまう。

No.0046
『オンディーヌ 海辺の恋人』(2018、原題:Ondine) 監督 ニール・ジョーダン
★★★ アイルランドで曳網漁師をしているシラキュースの網に若く美しい女性がかかった。人工呼吸で息を吹き返した女は人魚と名乗る。何かを恐れる女を空き家に匿うが、車椅子のおしゃまな一人娘に見つかってしまう。三人は家族のようになっていくが、ある日、彼女を探す怪しげな男が漁村に現れ……。人魚にまつわる現代のおとぎ話。

No,0045
『歩いても 歩いても』(2008、日本映画) 監督 是枝裕和
★★★ 出来の良かった兄の15回忌に開業医の実家に帰省した阿部寛演じる次男。妻は再婚で男の連れ子がいる。父親からは疎まれ、母親からは妻に対する嫌味を言われ、いたたまれない。それぞれが胸に溜まった鬱積をぶつけ合う内に、関係が次第に変化していく。是枝監督は家族の題材が多い。映像は好き。

No.0044
『ハドソン川の奇跡』(2016、原題:Sully) 監督 クリント・イーストウッド
★★★★ 2009年に起きた飛行機事故の実話に基づく映画。エンジンが停止してしまった旅客機をハドソン川に不時着させ、一人も死者を出さなかったサレンバーガー機長。すっげえパイロットがいるものだと思っていたが、その後、こんな目に遭っていたとは。それでもサリー(彼の愛称)はそれを乗り越え、名誉を勝ち取った。副操縦士のジェフも立派。コンピュータ・シミュレーションの(ある種の)怖さも分かる。金の亡者どもは本物の英雄さえも地に落とそうとする。

No.0043
『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017、日本映画) 監督 瀬々敬久
★★ 実話に基づく映画。自動車整備士の尚志(佐藤健)と女子大生の麻衣(土屋太鳳)は合コンで出会い、不器用な恋愛を経て、結婚しようとした矢先、麻衣が難病に罹り、植物人間状態になってしまう。尚志の献身的な看護やそれに心を痛める麻衣の両親。やがて麻衣は意識を取り戻すが、記憶を失っていた……。

No.0042
『マンデラの名もなき看守 』(2008、原題:Goodbye Bafana) 監督 ビレ・アウグスト
★★ 南アフリカの大統領となったネルソン・マンデラが政治犯として収容されていた刑務所で、マンデラ担当の看守となった白人の悩みとマンデラとの心の交流が描かれる。

No.0041
『プレシャス』(2010、原題:Precious: Based on the Novel Push by Sapphire) 監督 リー・ダニエルズ
★★ ニューヨークの下町でアル中・無職の母親と暮らす10代半ばのプレシャスは、名前と違って見た目も悪く勉強もできない。父親から性的虐待を受け、その子供まで産んでいる。事情のある子供たちが通う学校に入り、理解のある若い女性教師と出会い、成長していく。出来はいまいちだけど、希望の持てる映画。マライア・キャリーやレニー・クラビッツもそこそこの役で出演している。

No.0040
『エクス・マキナ』(2016、原題:Ex Machina、別題: ex_machina) 監督 アレックス・ガーランド
★★★★ ヒューマノイドAIが人間社会に密かに解き放たれる話。『ターミネーター』などでは人型ロボットと人間社会との摩擦や戦争が描かれているが、その端緒とはこのようなものだったのかと思わせる秀作。舞台も映像も素晴らしい。ドーナル・グリーソン演じる主人公の青年がマーク・ザッカーバーグ, オスカー・アイザック演じる天才的AIエンジニアがスティーヴ・ジョブズに似ているのはご愛嬌か。

No.0039
『バクマン。』(2015、日本映画) 監督 大根仁
★★★ 『重版出来』が編集者の視点からなら、こちらは高校生漫画家コンビからの漫画制作もの。原作担当・神木くんと作画担当・健くんが少年ジャンプを舞台に読者アンケートのトップを狙う。立ちはだかるは同年代の天才漫画家(染谷将太)。ジャンプの漫画が原作らしいけど、映画としての出来は悪くない。小松菜奈ちゃん、ヤバイ。

No.0038
『万引き家族』(2018、日本映画) 監督 是枝裕和
★★★★ 家族とは、人間の心のつながりとは、なんなのか。そんなことを考えさせられる映画だった。映像も、セリフも、ひとつひとつがちゃんと生きていた。つまりはいい映画だった。話の中心となる男の子が可愛かった。最初、女の子かと思った。(そっちの趣味はありません)

No.0037
『アウトバーン』(2016、原題:Collide) 監督 エラン・クリーヴィー
★★ 主演のニコラス・ホルトは『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』でサリンジャー役をしていた俳優さん。ストーリーは陳腐だが、個性的な悪役たちが秀逸。ヨーロッパ流のカーチェイスは迫力があった。

No.0036
『恋は雨上がりのように』(2018、日本映画) 監督 永井聡
★★★ 原作は青年誌のコミックらしいが、女子高生の気持ちが結構描けていると思ったら、やはり女性の漫画家だった。個性的に可愛く、スタイルも抜群なあきら(小松菜奈)のような子に迫られたら、真面目な中年男は逆に逃げ腰になっちゃうだろう。でもそこは小説家でもある近藤。あきらの気持ちを受け入れつつも、深い関係にはならず、あきらの本来歩むべき道に戻してやる。でもそこはやっぱりあきら。本来の道を走りながらも、近藤への想いを忘れていない。ラストシーンの二人の物理的な距離が、今の二人に適切な心の距離なのだろう。手は届かないけれど、互いの表情は確認できて、大きな声を上げれば届く距離。とても素敵で、爽やかなラストだった。

No.0035
『黄金のアデーレ 名画の帰還』(2015、原題:Woman in Gold) 監督 サイモン・カーティス
★★★★ 第2次世界大戦中にナチスに奪われたクリムトの描いた伯母・アデーレの肖像画を取り戻すべくオーストリア政府を訴えた女性の実話。実にいやらしいオーストリア政府を相手に果敢な戦い(裁判)を挑む。

No.0034
『捕われた女』(2015、原題:Captive) 監督 ジェリー・ジェームソン
★★ どうも冤罪っぽいアフリカ系の男がレイプ裁判中に逃走。ヤク中で娘を引き離されているシングルマザーを人質に取る。実話に基づくストーリーらしいが映画の出来は酷い。逃亡犯の人間性に救われた感じ。

No.0033
『CAST AWAY』(2000、原題:Cast Away) 監督  ロバート・ゼメキス
★★★ (ネタバレ気味)トム・ハンクス演じるFedExのやり手の管理職が飛行機の墜落事故で無人島に流れ着いて、生き延びて、救出されるが……。ハッピーエンドを予感させて終わる。

No.0032
『少女邂逅』(2019、日本映画) 監督 枝優花
★★★ 監督は20代の女性らしいので考えにくいが、タイトルの『少女邂逅』(しょうじょかいこう)は、「しょうじょかいこ」(少女蚕)との(親父)ギャグなんてことはないよね……。悪い映画ではないが、表現力が少し足らないような気がする。それと、脚本も練りが不足気味。でも嫌いじゃない。

No.0031
『アルビノの木』(2016、日本映画) 監督 金子雅和
過去に捨てられてきた自然と一体化した古い生活と、霊的なものを忘れてしまった合理的な近代生活との対比をしているらしいが、監督は、どうもどちらのことも本質的にはわかっていないという気がする。セリフで説明しすぎ。映像も一見それっぽいけど、語れていない。俳優の演技も下手。

No.0030
『500ページの夢の束』(2018、原題:Please Stand By) 監督 ベン・リューイン
★★ 自立支援施設で生活する自閉症の女の子(21歳)。スタートレックの大ファンで、脚本の公募を知り、夢中で執筆するが、郵送では間に合わない事態に! 視点がどちらかというと自立支援施設の施設長やお姉さん(普通の人)側に寄り添い過ぎていて、なんか納得がいかなかった。甘すぎる缶コーヒーみたいな映画。

No.0029
『あと1センチの恋』(2014、原題:Love, Rosie) 監督 クリスチャン・ディッター
★★イギリスに住むイギリス人の幼馴染の男女。話は高校を卒業する辺りから始まる。ふたりともそれなりの家庭に育ち、成績も優秀。そんな二人が、気持ちの中での意地の張り合い、思いやり、(少々無理やり)すれ違いまくる映画。幼馴染の恋、憧れます。

No.0028
『娼年』(2017、日本映画) 監督・脚本 三浦大輔
桃李君はかなりリスキーな役を頑張って演じたと思う。今につながる、変わろうとする桃李君を見ることはできたという映画でした。

No.0027
『ドライブ』(2011、原題:Drive) 監督 ニコラス・ウィンディング・レフン
★★★★ どこかで観たような話だなと思っていたら設定はほぼ『シェーン』。ゴズリングは完全な二枚目ではないけれど、いざというときに残酷なまでの暴力を振るう時はちょうどいい。怖さがある。ヒロインや裏の世界の人たちも、個性的でいい演技。個人的に満足の一品。

No.0026
『テッド 2』(2015、原題:ted 2) 監督 セス・マクファーレン
★★★★ 1作目がとてもおもしろかったのであまり期待せずに観た。相変わらず破茶滅茶だなあいつら。結局1作目が霞むくらい楽しめた。

No.0025
『二流小説家 シリアリスト』(2013、日本映画) 監督 猪崎宣昭
★★★ 海外のベストセラー小説が原作らしい。映画としてはそれなりにまとまっていて、楽しめる。ちょっと暗いけど。

No.0024
『LUCY/ルーシー 』(2014、原題:Lucy) 監督 リュック・ベッソン
★★ 達磨大師を彷彿とさせる能力と大友克洋のAKIRAを思わせる表現。

No.0023
『フレフレ少女』(2008、日本映画) 監督 渡辺謙作
★★ 新垣結衣ちゃんの可愛さに負けて、見始めた。観終わって、「気合もいいが、結局はいかに自分で自分を鍛えられるかということにかかってくる。それには精神力も知力も必要」と考えた。

No.0022
『イエスマン “YES”は人生のパスワード 』(2009、原題:Yes Man) 監督 ペイトン・リード
★★★ 仕事でもプライベートでも否定、拒絶することで内にこもっていたバツイチの銀行マンが元同僚から怪しげなセミナーに誘われ、あらゆることにイエスと言い始めると人生が好転するが……。

No.0021
『光』(2017、日本映画) 監督 河瀨直美
★★★★ 視力を失いかけている写真家と視覚障害者向けに語りを入れる若い女性との人間関係と恋愛。割と良かった。さすが河瀬直美監督。

No.0020
『映画 鈴木先生』(2013、日本映画) 監督 河合勇人
★★ 北村匠海くんに拍手

No.0019
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015、日本映画) 監督 樋口真嗣
★★ 一時期話題になっていたから観た。三浦春馬が可哀想。

No.0018
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(2015、日本映画) 監督 樋口真嗣
★★ 一時期話題になっていたから観た。三浦春馬が可哀想。

No.0017
『TAXi④』(2007、原題:Taxi 4) 監督 ジェラール・クラヴジック
★ TAXiファンでもどうかなぁ。走りのシーンの質は上がっていたな。4作目にして、早くも『男はつらいよ』もしくは『釣りバカ日誌』状態。

No.0016
『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』(2018、原題:택시운전사、英題:A Taxi Driver) 監督 チャン・フン
★★★★ 普通の市民であった人々が、時として、人間性に裏打ちされたすごい力と勇気を発揮して、自分たちの社会を守る。人間とその社会というのは捨てたものではないと思わせてくれる。

No.0015
『写真甲子園 0.5秒の夏』(2018、日本映画) 監督 菅原浩志
★★ 枠にとらわれていた高校生が一歩抜け出していく。写真好きでもあるし、自分ならこんな風に撮るだろうなとか考えながら観た。ほんと高校生って、走れるよな。

No.0014
『帰ってきたヒトラー』(2015、原題:Er ist wieder da  <=意味「彼が帰ってきた」) 監督 デヴィッド・ヴェンド
★★ 今なおヒトラーが受け入れられる素地が社会にあるということなのだろう。だからこそドイツは反ナチ法で厳しく取り締まっているのだと思われる。

No.0013
『ポエトリーエンジェル』(2017、日本映画) 監督 飯塚俊光
★★★ ほどほどにまとまった話でそれなりに楽しめるけど、武田玲奈の可愛さ抜きでは語れんな。映画に光を与えていた。

No.0012
『CUTIE HONEY -TEARS-』(2016、日本映画) 監督 A.T., ヒグチリョウ
★★ 脚本がダメ。SF部分も中途半端。西内まりやは可愛いけど、アクションとマジ顔がいまいち。

No.0011
『博士と彼女のセオリー 』(2015、原題:The Theory of Everything) 監督 ジェームズ・マーシュ
★★★ スティーブン・ホーキング博士の人生を長年連れ添った元妻の視線から描いた映画。ホーキング役の男優さん、頑張ってたな。ケンブリッジ大学はほんとに素敵な場所だ。

No.0010
『ジェイソン・ボーン』(2016、原題:Jason Bourne) 監督 ポール・グリーングラス
★ これまでの〝ボーン三部作〟を冒涜するような、残念な映画。まあ、ボーンのファンだっただけに……。

No.0009
『くちびるに歌を』(2015、日本映画) 監督 三木孝浩
★★ 見所は新垣結衣演じる無愛想な元プロピアニストが音楽のことになると真剣になったり嬉しく思ったりを微妙な表情で見せてくれるところ。五島列島の中の小島から見る広がりのある光の風景。

No.0008
『重力ピエロ』(2009、日本映画) 監督 森淳一
★★ 微妙な表情とか上手いなと演技を評価していた北村匠海君が子役で出演、このころから巧い。

No.0007
『はじまりへの旅』(2017、原題:Captain Fantastic) 監督 マット・ロス
★★ 俗世間を離れ森の中で野生的かつ知的な自給自足的な生活を送る家族という設定は面白かったけど、落とし所が中途半端。

No.0006
『私がクマにキレた理由(わけ)』(2008、原題:The Nanny Diaries) 監督 シャリ・スプリンガー・バーマン, ロバート・プルチーニ
★★ 金融業界の就職面接で失敗し、鼻持ちならない金持ちの家でナニー(子守)の仕事をする羽目になった大卒女子のニューヨーク生活。

No.0005
『OVER DRIVE』(2016、日本映画) 監督 羽住英一郎
★★ ストーリーは当たり障りのない退屈なものだが、迫力あるラリーシーン多し。ロケは豊田章男社長がかなり支援? 結構頑張ってる。車好きで、北村匠海くんのファンなので、いろいろ許せる。

No.0004
『EVA<エヴァ>』(2011、原題:Eva) 監督 キケ・マイロ
★★★★ スペインのSF、アンドロイド物。EVAという女の子が魅力的。雪景色の中の赤いコートが印象的。

No.0003
『パターソン』(2017、原題:PATERSON) 監督 ジム・ジャームッシュ
★★★ 平穏に暮らす無名の詩人の生活がすこしずつズレていって、本人にとっては究極の事態に至り、最後には新たな一歩を踏み出す一週間の物語。

No.0002
『365日のシンプルライフ』(2014、原題:TAVARATAIVAS) 監督 ペトリ・ルーッカイネン
★★ 失恋を機に、究極的ミニマリストから再出発してみた男のかなりゆるいドキュメンタリー。

No.0001
『ブルーに生まれついて』(2016、原題:Born to be blue) 監督 ロバート・パドロー
★★★ ジャズ・トランペッター&ヴォーカリストのチェット・ベイカーの伝記的フィクション