百一 里優
夏休みの宿題については拙著『森の図書室、カザルスの夜』(第8章)にもちらっと話がでてくるが、未だに忌まわしきものとして心に引っ掛かっている。
宿題とか日記とか、そういうことが心の何処かにいつもあって、夏休みに集中できなかった。
頭を空っぽにして、毎日を過ごしたかった。
夏休みの宿題って本当に必要なものなのだろうか?
確かに毎日せっせとやる子は学習内容を忘れないだろうけど、自分のように最後にまとめてする子はあんまり意味ない。
なんか、教師が自分を安心させるために出しているような気がしないでもない。
今までずっと慣習的にやってきたからそれを止める勇気がない?
職場で10日以上の休みを取っても、完全リフレッシュできないのは、その名残かもしれない。
欧米では、学年の切り替わりに当たる(日本では春休み)こともあり、夏の休みに宿題はないらしい(調べるとイタリアは例外みたいだが)。
覚えたことをとりあえずすっかり忘れてしまうって、成長や発想のためには結構大事なことなんだよね。
でもそれは完全に忘れてしまうわけではなく、一度脳みそのどこかにしまわれる。
そして発酵するんだ。
体験がその発酵菌かもしれない。
そして、別のものに生まれ変わる。
あることと別のことが結びついていたりする。
つまりそれは創造だ。
欧米では3ヶ月ほど休みがあるらしいけど、日本なんてわずか40日程度。
遊んで遊んで、好きなことをやりまくって、学校とは別のところで成長しようよ。
学校に通っている期間にはできないことをする。
教師はそういうことができるようにうまく導いてあげればいい。
これから日本はますます高齢化が進み人口が減っていくわけだし、ひとりひとりの能力が大事になる。
その時に知識があるだけの人ではダメでしょう?
基礎さえ身につけておけば(例えば、1+1=2とか1×0=0とかの原理、英語は主語+動詞の原則など)、付随的な知識はスマホやらコンピューターやらで補えるし、ある程度のことはAI(人工知能)に取って代わられちゃうだろうし。
夏休みの宿題について検索してみたら、いくつか興味深い記事があったので、最後に紹介します(一部、参考にさせていただきました)。
特に最後のイタリア人教師の話なんて、思わず涙が出てしまいました。
ハフポスト あの人のことば
「夏休みの宿題はいらない」 公立小学校の現役校長が変えたい“昭和的な”教育
読書感想文も自由研究も、もういらない――。夏休み最終日に考えておきたいこと。(吉川慧)
東京都小金井市立前原小学校の松田孝校長
2017年08月31日 19時12分 JST | 更新 2017年08月31日 23時52分 JST
https://www.huffingtonpost.jp/2017/08/31/matsuda-summer-homework_a_23191838/
朝日新聞
夏休みの宿題「前半集中型」7割が計画倒れ 小学生調査
中村通子
2018年8月16日10時25分
https://www.asahi.com/articles/ASL844VWVL84PPZB008.html?iref=pc_ss_date
海外の夏休みは2か月以上あるのに宿題ゼロ。それでも学力が落ちない教育事情とは?
2018-03-23更新 | 2017-08-18公開
https:// happybanana.info/?p=11534
(リンク先の画像が表示されてしまうので、”happy”の前に” “(スペース)を入れてあります)
あるイタリア人教師の出した、夏休みの宿題が素晴らしい。さあコンピューターから離れよう。
Rebecca Klein & Adele Sarno The Huffington Post
ハフポスト ライフスタイル 2015年06月19日 17時05分 JST | 更新 2015年06月19日 20時57分 JST
https://www.huffingtonpost.jp/2015/06/19/italian-teacher-summer-home-work_n_7618624.html?utm_hp_ref=jp-natsuyasuminoshukudai
夏は生命(いのち)を燃やす季節だね!
(2018-08-28; 2018-09-14改題・加筆)