映画雑観0131『チョコレート ドーナッツ』★★★★

★★★★ 本当の”家族愛”とは何かを考えさせられる映画。ゲイのカップル(ルディとポール)とダウン症の男の子(マルコ)が家族になるが、周囲の偏見により引き裂かれてしまう。語りすぎず、観る側に考えさせる。アラン・カミング演じるルディをめちゃ可愛い上に男らしくてステキ。原題の”Any Day Now”は劇中でルディが思いの丈を込めて歌うボブ・ディランの歌詞から取られている。ビターエンドだけど、是非観て、偏見や愛情について思いを馳せて欲しい。オススメ!
 
原題:Any Day Now
情報:2012、アメリカ、92分
鑑賞時期:2020年12月5日
視聴環境:On demand
監督 ・製作・脚本:トラヴィス・ファイン
主演 :アラン・カミング(ルディ)、ギャレット・ディラハント(ポール)、アイザック・レイヴァ(マルコ)
 
【あらすじと感想:ややネタバレ】
1979年の南カリフォルニア。ゲイバー(ショーパブ?)で口パクの歌手&ダンサーをしているルディは、歌手を目指してはいるものの、デモテープを作る機材を買うどころか、家賃の支払いも滞っている。そこに検事のポールが来店して、二人は恋に落ちる。ルディのアパートの隣人はヤク中のシングルマザーとダウン症の男の子・マルコだ。ポールと出会った翌日、母親が逮捕され、ひとり取り残されたマルコを見つけたルディは自分で面倒を見ようとするが、マルコは施設に連れて行かれてしまう。
ポールと協力して、マルコを引き取ることに成功したルディ。三人はポールの家で一緒に暮らし始める。おそらく人生で初めて幸せを感じているマルコは、ポールとルディを特別視しない養護学校の先生にも恵まれ、学力も伸ばしていく。
ところがゲイを嫌悪しているポールの上司がルディとポールとの関係に疑いを抱き、彼らがゲイのカップルであることを調べ上げ、マルコを育てるのにふさわしくない環境との判決が出てしまう。控訴してマルコを取り戻そうとするが、ポールの上司がその力を使ってマルコの母親を強引に出所させ、母親にマルコを引き取らせてしまう。
ところがすぐに薬物に再び手を出した母親はマルコを放り出し、セックスに耽る。マルコはルディとポールの家に向かうつもりで外に出るが……。
 
寝る前にルディにハッピーエンドのお話をせがむマルコ。まるで母親のような優しさで、マルコという魔法使いの男の子を主人公にした自作の話をするルディ。これが、なんかラストの伏線になっていて、書いていても辛い。涙が出て来る(電車の中なのに)。
でもたぶん、マルコは、ルディとポールが待つ幸せな自分の家に帰れると信じて歩いていたのだと思う。
 
 
[映画『チョコレートドーナツ』 オフィシャルサイト](http://bitters.co.jp/choco/)

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