森の図書室、カザルスの夜

静かで激しい一夜の愛の物語
森の麓の寂れた公民館。図書室の不思議な少女。バツイチ彼女の半生と腕につけられたストライプ状の火傷の痕。カザルスのチェロで舞う、彼女との悦楽のダンス!

【あらすじ】
古い気象データを手に入れるため東北の森林研究所を訪れた30代半ばの独身研究者の太田貴文。運の悪い彼は森の中で終バスに乗り遅れてしまう。幸い、研究所に出入りしている森野木乃香(きのか)という笑顔の素敵な女性に拾われるが、森の麓の寂れた公民館に独り泊まる羽目になる。臆病な貴文は怖いと思うが、さすがに口にはできない。ところが図書室で不思議な少女と仲良くなると、居心地のよさを感じ始める。一方、夕飯を持って戻ってきた木乃香はどこか落ち込んだ様子で、聞けば、誕生日の夜を独りで過ごすらしい。
貴文の誕生祝いの演出でふたりは打ち解け、食後の酒を飲みながら、木乃香は自分の過去を語り始める。貴文が戸惑うほどあけすけな恋愛の話は、やがて夫の異常な執着、家庭内暴力へと転じていく。すべてを聞いてもらい、新しい一歩を踏み出す元気をもらったという木乃香は、BGMに流していたカザルスのチェロでお礼のダンスを貴文に贈る。
貴文のお気に入りの曲がかかると「特別な夜よ」と木乃香は囁き、踊りに誘う。踊れないはずの貴文の身体はなぜだか動き、踊りに没頭していく。
そして、ふたりは結ばれるのだが……。

 

ハルの森

森に選ばれた男の、哀しくも愛おしい〝家族〟の物語
『森の図書室、カザルスの夜』の続編。

【あらすじ】
ある秋の日、見知らぬ少女が森林気象研究者の貴文の元を訪ねてくる。それは、10年ほど前、東北の山の麓の古びた公民館で一夜の愛を交わした森野木乃香の遺児・遥だった。自分の子である可能性に怯える一方で、木乃香と過ごしたあの神秘的で濃密な夜の記憶が蘇る。妊娠できなかったはずの木乃香。その手紙に記された〝超自然的な妊娠の経緯〟は、あの夜を共にした貴文だけが理解しうるものだった。遥と過ごした半日で父親ではない確信は深まるが、女性弁護士の元から児童養護施設に移るという遥を引き取る決意をする。遥が姉のように慕う記憶喪失の美しい娘・春美とも結ばれ、困難を乗り越えて家族となった三人に幸せな日々が訪れる。妊娠の兆候に喜んだのも束の間、春美は「記憶が戻った」という書き置きを残して姿を消してしまう……。
超自然的な運命に翻弄された男の、哀しくも幸せな愛の物語。
大人が楽しめる静かで激しいファンタジック・エンターテイメント。

上記2編は、タイトルをクリックすると別のページが開き、Web上の電子書籍として読むことができます。

 

 カイリーユと山下美那、Z(究極)の夏〜高2のふたりが駆け抜けたアツイ季節の記録〜

くすぶり系高2男子が3×3で幼馴染の美形バスケ女子の心を掴み……

燻(くすぶ)っていた高2男子のリユが幼馴染のバスケ美少女・美那と互いを支え合い、高めながら、それぞれの困難を乗り越えて行く恋と青春の物語。日本初の3×3バスケ小説?(作者調べ)

リユこと森本里優(もりもと・りゆう)は横浜の高2男子。わけありでテニス部を辞めた今は、密かに小説を書きつつ、バイトをしてバイク購入も目指している。近所で幼馴染の同級生・山下美那(やました・みな)はバスケ部の中心選手で人気者の美形女子だ。美那とは、仲良しだった幼稚園以後は付かず離れずの友達関係にある。
夏至も近い夏の日、美那が「親が離婚しそうだ」と父親のDVで親の離婚を経験しているリユに相談する。さらに、自分をもてあそんだストリートボーラーをバスケで見返す気の美那は、リユを3x3バスケチームに誘う。
その日を境にリユの人生が大きく動き出す。
憧れのバイクの入手、3x3バスケの特訓、夏休みのバイトに、図書室の美少女との恋、そして3x3大会への出場。美那との距離も次第に縮まり……。

※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体等とは一切関係がありません。

カクヨムにて連載中
https://kakuyomu.jp/works/16816700426110054427